TL;DR(要約)
- 1on1とは: 1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で定期的に行う非公開の対話で、部下のアジェンダを最優先にします。
- 頻度: 隔週・30分を基本とし、新入社員やリモートの部下、悩みを抱えているメンバーとは毎週行うのがおすすめです。
- 話すこと: 共有アジェンダを用意し、近況確認から部下の優先事項と障壁、フィードバックと成長、最後にアクションアイテムへと進めます。
- 最大の注意点: メモは毎回取りますが、録音は明確な同意がある場合に限ります。1on1では部下がデリケートな話題を持ち出すことがあるためです。
仕事への向き合い方が変わるような1on1を経験したことがある人は多いでしょう。そして、誰も読まないSlackのメッセージで済んだはずの1on1は、その何倍も経験しているはずです。
その差を生むのは、上司のカリスマ性ではありません。ミーティングに目的と構成があり、前回話した内容を覚えている人がいるかどうかです。
このガイドでは、1on1ミーティングの目的、進め方、話すことの3つを解説し、今日からそのまま使える無料の1on1テンプレートも紹介します。主に上司(マネージャー)向けの内容ですが、部下向けのセクションもあります。テンプレートへ移動するか、アジェンダを作りましょう。
1on1ミーティングとは?目的と効果
1on1ミーティングとは、上司と部下1人が定期的に行う非公開の対話で、部下の優先事項や課題、成長を最優先にするものです。進捗報告の場でも、人事評価の場でもありません。
この習慣は、Intelの元CEOであるAndy Groveに負うところが大きいでしょう。彼は著書『High Output Management』で、定期的な1on1をマネージャーにとって最もレバレッジの高い習慣の一つだと説きました。その後、エビデンスも追いついてきています。
ノースカロライナ大学シャーロット校の会議研究者による2022年のレビューは、全ミーティングの推定47%が1on1であると指摘しています。MicrosoftとCiscoの社内調査を引用し、質の高い1on1をより頻繁に受けている社員ほどエンゲージメントが高かったことも紹介しています。
Gallupの調査はさらに踏み込んでいます。過去1週間に有意義なフィードバックを受けた社員の80%が、十分にエンゲージしていました。ただし問題もあります。約15,000人の社員を対象にした調査で、直近の上司との会話が「非常に有意義だった」と答えたのはわずか16%でした。
1on1と人事評価・進捗報告・スキップレベルミーティングの違い
| ミーティング | 目的 | 主導する人 | 一般的な頻度 |
|---|---|---|---|
| 1on1 | 支援、フィードバック、成長、障壁の解消 | 主に部下 | 毎週〜毎月 |
| 人事評価 | 目標に対する正式な評価 | 上司と人事 | 四半期ごとまたは年1回 |
| 進捗報告 | プロジェクトやタスクの進み具合 | その業務の担当者 | 毎日または毎週(非同期が多い) |
| スキップレベル | 階層を越えて全体の状況を把握する | 上司のさらに上の上司 | 四半期ごとまたは随時 |
1on1ミーティングの頻度はどのくらいが適切?
多くのチームでは、隔週・30分の1on1が妥当な基本形です。新入社員やリモートの部下、つらい時期を過ごしているメンバーとは毎週行いましょう。Gallupによると、15〜30分の定期的な会話は、30〜60分の会話よりも大きな効果があります。ただし、本当に定期的に実施されていることが前提です。
| 頻度 | 向いている相手 | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 毎週 | 新入社員、リモートの社員、悩みを抱えている人や変化の最中にいる人 | 15〜30分 |
| 隔週 | ほとんどの経験豊富なチームメンバー | 30分 |
| 毎月 | 自律性の高いシニアメンバー | 45〜60分 |
頻度にかかわらず、キャンセルではなくリスケジュールしてください。1on1をキャンセルすると、自分が上司の優先順位のどこにいるのかを、部下にはっきり伝えてしまいます。
無料のGoogleアカウントでリモートの1on1を行っていますか? 2人での通話なら、グループ通話を60分で打ち切るGoogle Meetの時間制限の対象外です。
1on1ミーティングの進め方(ステップ別)
よい1on1には3つのフェーズがあります。事前の共有アジェンダ、当日の部下主導の対話、そして事後の書面でのフォローアップです。
ミーティング前:共有アジェンダを作る
- 部下ごとに継続して使うドキュメントを1つ用意します。 1週間を通じて2人ともトピックを書き足すので、記憶に頼らずに済みます。
- 部下のトピックを先にします。 部下のトピックを上に、上司のトピックはその下に置きます。
- 前回のアクションアイテムを見直します。 何か約束していたなら、部下に聞かれる前に実行できたか確認しましょう。
形式を決める際は、こちらの会議アジェンダのテンプレートが参考になります。
ミーティング中:まず部下に話してもらう
- 本音の近況確認から始めます。 「何か進捗はある?」よりも「正直なところ、最近どう?」のほうがうまくいきます。
- 主導権を部下に渡します。 自分のトピックより先に部下のトピックを取り上げ、時間の大半は聞くことに使いましょう。
- 具体的な場面についてフィードバックします。 「最近よく頑張っているね」より「火曜日の顧客との通話でのまとめは的確だった」のほうが伝わります。
- スマホも他のタブも閉じます。 相手は気づいています。
ミーティング後:24時間以内にフォローアップする
- 通話を終える前に、アクションアイテムを口頭で確認します。 誰が、何を、いつまでにやるのかを明確にしましょう。
- 短い要約を当日中に文章で送ります。 構成に迷ったら、ちゃんと読まれる会議の要約の書き方を参考にしてください。
- 次回のミーティングは、そのアクションアイテムから始めます。 覚えていてくれる上司ほど、早く信頼を築けるものはありません。
1on1ミーティングのテンプレートと30分のアジェンダ
30分に収まり、部下が主導権を握り続けられる1on1ミーティングのテンプレートです。
| 時間 | セクション | 話すこと |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 近況確認 | 調子はどうか、気になっていること |
| 5〜15分 | 部下の優先事項と障壁 | うまくいったこと、行き詰まっていること、上司に求めること |
| 15〜25分 | フィードバックと成長 | 双方向のフィードバック、スキル、キャリア目標 |
| 25〜30分 | アクションと次のステップ | 担当者、期限、次回のトピック |
アジェンダを作るのは簡単です。難しいのは、きちんと話を聞きながらメモを取ることです。そこで役立つのがtl;dvの1:1 Meetingテンプレートです。1on1のAIメモを整理し、アクションアイテムやフォローアップも追跡してくれるので、キーボードではなく相手の顔を見て話せます。
Proプラン以上では、独自のテンプレートも作成できます。カスタムテンプレートは、AIに何を記録してほしいかを普段の言葉で伝えるプロンプトです。ミーティングの種類、タイトルのキーワード、参加者に応じて、今後のミーティングに自動で適用することもできます。
tl;dvに標準搭載の1:1 Meetingテンプレート。今後のミーティングに自動で適用するルールも設定できます。
部下に合わせたテンプレートの調整方法
同じ30分が誰にでも合うわけではありません。新入社員なら職場になじめているかに、悩みを抱えている部下なら障壁とサポートに、シニアの部下なら成長に、より多くの時間が必要です。目の前の相手と使える時間に合わせて各セクションの時間配分を調整し、アジェンダを共有ドキュメントにコピーしておきましょう。そうすれば、2人とも事前に確認できます。
上司との1on1で使えるテンプレート(部下向け)
上司との1on1を受ける側なら、上司が構成を用意してくれるのを待つ必要はありません。代わりに、この「上司との1on1ミーティング」用テンプレートを持って臨みましょう。
| セクション | 事前に準備する問い |
|---|---|
| うまくいったこと | 前回の1on1以降、何がうまくいったか? |
| 障壁 | 何が自分の足を引っ張っているか、何があれば解消できるか? |
| お願いを1つ | 今週、上司にお願いしたい具体的なことを1つ |
| 上司へのフィードバック | 自分を助けるために、上司が変えられることを1つ |
| 成長 | 気になっているスキル、プロジェクト、キャリアの疑問 |
トピックは前日までに書き込んでおきましょう。上司がキャンセルを繰り返すなら、なしにするのではなく短い時間枠を提案してください。そして、自分でもメモを残しておきましょう。「第3四半期のプロジェクトは私がリードすると言っていましたよね」という言葉は、日付が添えられているほうが説得力を持ちます。基本は議事録・会議メモの完全ガイドで確認できます。
1on1で話すことと部下への質問例
1on1でのよい質問は、オープンで具体的、そしてプロジェクトではなく部下本人についての質問です。尋問のようにならないよう、質問はローテーションさせましょう。
近況確認
- 正直なところ、最近どうですか?
- 今週いちばんよかったことは何ですか?
- 今、いちばん頭を占めていることは何ですか?
- 今日、必ず話しておきたいことはありますか?
優先事項と障壁
- いちばん足を引っ張っているものを1つ挙げるとしたら何ですか?
- 「完了」の状態について、はっきりしないことはありますか?
- 私が取り除ける障害はどこにありますか?
- 誰にも見えていないけれど、取り組んでいることは何ですか?
フィードバック(双方向)
- あなたをサポートするために、私が変えられることを1つ挙げるとしたら何ですか?
- 言わずにいたフィードバックはありますか?
- 最近の仕事で、いちばん誇りに思っているものはどれですか?
- フィードバックはどのように受け取るのが好みですか?
成長
- 今四半期に身につけたいスキルは何ですか?
- 2年後、自分はどうなっていたいですか?
- どんなプロジェクトなら、自分の幅を広げられそうですか?
- 社内で学びたいと思う人は誰ですか?
業務量とウェルビーイング
- 今の業務量は、10段階でどのくらい続けられそうに感じますか?
- もしやめられるなら、何をやめますか?
- 最後に仕事で本当にやる気がみなぎったのはいつですか?
- 仕事以外で影響を受けていて、私が知っておくべきことはありますか?
部下からのフィードバックを受け取るのは、仕事の半分にすぎません。それに基づいて行動し、行動したことを伝えることが、フィードバックループを閉じるということです。
1on1でのメモ・録音・AIの活用
1on1ミーティングでは毎回メモを取り、部下と共有し、録音は明確な同意がある場合に限りましょう。メモがあるからこそ、楽しい雑談が責任ある約束に変わります。
1on1ミーティングは録音すべき?
2人とも心から抵抗がない場合に限ります。1on1は部下がデリケートな話題を持ち出す場であり、録音されていると話せる内容が変わってしまうことがあります。(いつもの注意書きですが、これは法的助言ではありません。自社の人事部や法務部に確認してください。)
同意に関するルールは国や州によって異なります(本人の許可なく録音するのは違法かについてはこちらでまとめています)。英国では、ICOの従業員のモニタリングに関するガイダンスが、力関係の不均衡があるため雇用の場面では通常、同意は適切な根拠にならないとしています。また、モニタリングについては従業員が理解できる方法で伝えなければならないとしています。
目安となるルールは次のとおりです。毎回確認すること、個人的な話にはオフレコの選択肢を用意すること、そしてボットなしの録音に切り替えても録音の見え方が変わるだけで、開示が必要なことに変わりはないと覚えておくことです。また、AIによる要約は一つの解釈にすぎません。この点は、営業の通話よりも1on1でずっと重要になります。詳しくはAIとプライバシーの記事をご覧ください。
AIでチーム全体のテーマを把握する方法
すばらしい1on1を1回行うのは簡単です。しかし、2週間ごとに12回行い、誰が何を言ったかをすべて覚えておくとなると、多くのマネージャーが音を上げ始めます。
同意を得ていれば、tl;dvのAI議事録が要約、決定事項、アクションアイテムを自動で記録し、それぞれ発言された瞬間にリンクします。
テスト通話からtl;dvが抽出したアクションアイテム。それぞれ発言された瞬間にリンクしています。
さらに大きなメリットは、複数のミーティングをまたいだ分析です。tl;dvの会話インテリジェンスは、今月チーム全体で繰り返し出てくる障壁は何か、といったインサイトを複数のミーティングから一度に引き出します。複数ミーティングのインサイトを無制限に使えるのはtl;dvのBusinessプランで、Proプランでは単一のミーティングへの質問が無制限です。数十件の通話にまたがるパターンを一度に浮かび上がらせてくれますが、あなたの判断に取って代わることはありません。
21件のミーティングを対象にしたtl;dvの複数ミーティングAIレポート
1on1ミーティングでよくある失敗と対策
うまくいかない1on1の多くは、予測可能で、しかも直せるパターンで失敗しています。
- 進捗報告の場になっている。 プロジェクトの進捗はボードや非同期のチャンネルに移し、1on1は人に関する話題のために守りましょう。
- キャンセルを繰り返している。 同じ週のうちにリスケジュールするか、時間を短くしましょう。スキップは厳禁です。
- 上司ばかりが話している。 部下が大半の時間を話すようにしましょう。自分が半分以上話していると感じたら、話すのをやめて質問してください。
- アクションアイテムが立ち消えになる。 書き留め、担当者を決め、次回のミーティングはそこから始めましょう。
- 弱みの話ばかりしている。 Gallupの調査では、弱みについての話は、社員が最も有意義だと感じないテーマでした。承認、目標、強みについての話のほうがはるかに響きます。
- 部下が「特に話すことはありません」と言う。 成長やウェルビーイングの質問から1つ選んでみましょう。沈黙はたいてい、すべてが順調だからではなく、まだ安心して話せないというサインです。
ミーティング全般の改善については、こちらの効果的なミーティングの戦略をご覧ください。
今日から1on1ミーティングを始めましょう
すばらしい1on1ミーティングは複雑ではありません。定期的な時間枠、共有アジェンダ、話を聞く上司、そして次回まで残るメモがあれば十分です。アジェンダを作り、質問を5つ選び、今日のうちに最初の1on1をカレンダーに入れましょう。
話を聞いている間に、アクションアイテムとフォローアップを記録します。
よくある質問
1on1ミーティングは誰が主導すべきですか?
アジェンダの大部分は部下が持つべきです。上司は時間を管理し、フィードバックとアクションアイテムが確実に扱われるようにします。
1on1ミーティングは対面とビデオ通話のどちらがよいですか?
どちらでも構いません。リモートチームならビデオ通話で十分ですし、会話の緊張感を和らげたいときは、歩きながらの1on1も効果的です。
1on1がうまくいっているかはどうすればわかりますか?
部下が自分からトピックを追加し、問題を早めに相談し、アクションアイテムが実際に完了していれば、うまくいっています。わからない場合は、部下に直接聞いてみましょう。